プリンストンオフェンス3 ~サッカーにおけるスペーシング~

日本代表の試合を見ても、攻撃側のサポートがどう動いていいかわからないような仕草が見受けられます。これはスペーシングの理解不足が原因だと思いますが、根本的には育成年代でのスペーシング指導の不足、いや不足と言うか完全なる欠如に起因するものでしょう。

守備はゾーンディフェンスが基本ですが、そのポジションはボールを基準に味方選手との角度と距離で決まります。攻撃も同じことでボールホルダーとの距離感で最適なポジショニングは決まります。このときのポジショニングのとり方をスペーシングとして再定義して広めるのが、賢者のサッカーの要諦です。ではスペーシングとはなんぞやというのを一枚の図にしましたので御覧ください。

まず考え方として
①味方の邪魔をしない・させない
②味方を孤立させない
というのがあって、それが実現すると
③DFひとりで二人を守らせない
ことが可能になります。
これが可能な距離が物理的に計算すると
④8m〜15m
になります。ゾーンディフェンスの距離感が8m〜12mなのでこれより短いとDF1人でOF2人を守れる状態になります。長すぎるとパスが難しくなるので適度な距離が重要です。パス練するときには意識して下さい。15mの速いインサイドキックと8mのダイレクトリターンパスは超重要です。

で、ピッチのなかで重要なエリアがあって、考え方としては5レーン&4レイヤー理論です。4レイヤーというのは①相手の裏②バイタル③相手のFWとボランチの間④自分たちのDFラインで、この階層を上下しながらボールを出し入れして前に進みます。特にハーフスペースの相手のFWとボラの間のエリアが超大事で、ここにタイミングよく味方が入ってこないとき、僕はチームメイトに超キレる事があります。重要なのは両サイドに人がいることと両ハーフスペースに人がいることです。ワイドにピッチを使いながら、中盤のレイヤーを広く使うことが目的です。考え方としてはピッチの縦軸横軸を絶対値で線引するのではなく、あくまで相手のポジションを基準に線を引くということです。この辺はまた詳しくやったほうがいいですね。

次に動き方ですが、ズレを作る際に重要なのはパスを出した後の動き直しです。僕はパス&と呼んでいますが、前だけでなく4方向へ動くことを意識する必要があります。

合わせの基本は渦の理論です。こちらも参考に。スペーシングを制するものが勝負を制す。特にフレアが大事です。あとは裏とりの時はバックドアカットのタイミング。ループはボールホルダーが切り替えした時に備える動きです。

フレアで入っていくべき位置は1/2ポジションで決まります。あとは風間方式のチェックとかがあります。これはレベルが高いので後々ですね。

味方の合わせの動きに対して逆の動きをすることでDFにダブルパンチを決めて、ズレを拡大することが出来ます。合わせの動きがうまくいくとDFは必ずどちらかに動くので、あとは近くの味方がそれで出来たスペースを使えば良いのです。タイミング的には合わせを予測して同時に動かないと成功しませんがね。

最後に崩しのフェーズではスペースを協力して生み出すことが求められます。入れ替わりとスキップパスを理解していれば大丈夫です。

これがざっくりとしたスペーシングの説明です。上手く行けば守備面でも好影響が現れるはずです。

サッカーの指導で個人技の指導とかは要らないんじゃないかって最近思います。スペーシングさえ教えていれば駆け引きの回数は増えるし、決断の回数も増えるし、選手が勝手に上手くなっていく気がします。

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7 Comments

  1. avautura 返信
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    • silkyskill 返信
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  4. avautura 返信
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