前回の記事で補足があります。
まずゾーンディフェンスにおける、ドリブルに対する対応は以下のようになります。ドリブルの目的地に向かう動きで、DF全体が連動します。赤の矢印がDFの動きです。
さらにドリブルするとより密集してきます。単純なドリブルを続けると、このように選択肢を削られてしまい、攻撃はうまくいきません。ドリブルではDFを騙すアクションが必要です。切り返しとか、タイミングずらしたりとか。
で、渦を重ねると
こうなってきて、DFの動きと逆になることがわかります。逆かあるいは垂直方向にズレを生むか。
渦の重ね方ですが、前回のを訂正します。同軸に重ねるのではなく、やはり基準はボールホルダーに取ります。
ピッチの中央でも、離れる、バックドア、反航、回り込みは有効です。
そして渦の理論はボールホルダーの後方でも有効です。
後ろのサポートも渦の理論に基づくと良いでしょう。離れる、反航を使いつつ、注目はボールホルダーの背後を縦に飛び出す動きです。リスクとの兼ね合いですが、相手を騙すという意味では有効な動きです。
前後を合わせるとこのようになります。
ではチェルシー対アーセナルのペドロの得点を見てみましょう。動画がことごとくウェブ上から消えてるので、見たい人は意地でも探してください。固有名詞で説明していくので、よくわからん人はこの動画を根性出して探してください。アロンソが左サイド突破するシーンですが、
こんな感じでウィリアンのカットインからの落としをジョルジーニョが受けて、アロンソにスルーパス出します。で、周りの動きはこんな感じで、赤矢印は実際にはなかった動きです。
ウィリアンは内側にドリブルします。バークリーは離れます。カンテは少し遅れて高い位置を取り、ペドロは少し早すぎですがバックドアカット狙います。オフサイドになりますが、オンオフポジションでうまくフリーになって、ゴールにつなげています。
オンオフポジションとは、裏とったけどパス来なくてオフサイドポジションになったあと、味方がうまく逆サイドを突破して、オンサイドポジションに回復してからプレーするプレーです。
モラタはとどまっていますが、これはアーセナルのセンバをピンどめできているから動く必要がなく、センバの動き次第では赤矢印の動きを撮ったと思われます。モラタは楔を狙っていたからです。
ジョルジーニョは静止してますが、近くのアーセナルの選手を意識しています。今はフリーですが、DFが近づいてくれば赤矢印の動きをしたと思われます。
こんな感じで渦の理論は活用されています。いろんな試合を見てぜひこの視点を使ってサッカーをより深く理解してください。