リケルメのプレーを見ていたら本当に凄い技術ばかりを使っていたので解説します。日本の育成に確実に役に立つなと思いました。
というかミレニアル世代までは当然知っているとして、Z世代はファン・ロマン・リケルメを知らないって人多いんじゃないでしょうか。アルゼンチンの王様で一時はメッシを顎で使ってたくらいのスターでした。
ボカからバルサに行って、バルサでは王様出来ずに批判されましたが、その後ビジャレアルに移ってからはものすごいプレーを連発して活躍しました。本当にアルゼンチンサッカーのエッセンスを凝縮したような選手で、駆け引きの上手さは群を抜いていました。
それでも監督の言うこと聞かないとかプレーが遅いとかで現代サッカーの潮流とは逆を行くようなスタイルだったので、なかなか苦労したとは思いますが、ファンからはものすごい愛される選手でした。
誰もが一度はハマる、アルゼンチンサッカーの魅力を存分に体現してくれるリケルメのような選手は、今後現れないかもしれませんね。
まずは今回参考にした動画をポン。
じゃあ写真解説します。
バイタルで受けたら後ろから追われる
右から接近される。並走
懐にボールを収めて、フィジカルコンタクトに注力。
赤い三角が懐。白がボール。
相手をやりすごして前に回りこませる。
ダブルタッチっぽく細かくボールを動かして前進。
ころんだ相手にボールがあたって跳ね返ってくる
跳ね返ってくるボールにいち早く反応して前にかき出す。
相手はスクランブルに対応できず、棒立ち。リケルメは抜け出しGKと1対1へ。
違う角度から見てみます。
青のDFが後ろから追ってくる
右手を使って相手をはねのける。同時に青DFの左足のタックルを右足の太ももを使ってブロックする。こんなに接近されたのにボールを蹴らせない。
相手の足はリケルメの右足に阻まれてボールに届かない。まさに肉を蹴らせて骨を断つ。
青DFが右から左へ流れているので、逆を取りリケルメは右へボールを持ち出す。
すると二人目の黄色DFが右から来るので、再び左へ切り返す。
懐を深く使いつつ、縦へ持ち出す。青のDFはバランスを崩して転ぶ。リケルメは多分青DFの股抜きを狙ったと思われる。
ころんだDFの足にボールがあたって跳ね返る。3人目のDFは大きなタッチのドリブルをクリアしようとしている。しかし、ボールは青DFの転んだ足に当たったのでクリアは空振りに終わる。
跳ね返ってくるボールを左足でチョンと前に突き出し、一気にぬけ出す。
スクランブルは計算されたプレーでは全く無いんです。しかし、最後までボールを観る能力の差が結果を左右したと思います。つまり、才能としての視力の差が大きく、あとはスクランブルで勝算を上げるパターンを持っているかどうかです。
懐でのプレーを極めると、こうした足元でのスクランブルに強くなります。ボールを自分の体より後ろで扱うのが懐ですから、最後までボールを観る癖がつき、また足元の広い範囲に目と足が届くようになります。ですから、DFが頑張って足を伸ばしてきたとしても、それに反応して、突かれたボールの行き先に足で壁を作るようにしてボールを前へバウンドさせる技術を身につけることが出来ます。
DFは常に予測をして守っています。こうなったらこうすれば守れる、というパターンをいくつも持っていて、それに思考を束縛されています。だからボールのコースがちょっと変わったとかすると、まったく反応ができなくなります。その点OFは博打を仕掛けられるので、こういうアドリブやリスクを取ったプレーでは有利だといえます。リケルメはその思考のギャップを逆手に取るような、DFの予測を外す術をいくつも持っていると言うことが出来ます。
時間ができたらちょっとずつリケルメ特集やってきます。
いつも読ませて貰っています。
久々の更新、ご苦労様です。
質問なのですが、僕はFWをやっています。
高校の部活ではポストプレーの際には、半身で片手で相手を抑えながら重心をあずけた後にボールを受けろ、と教わりました。
しかし、足の長いディフェンダーに当たられるといとも簡単にボールを失ってしまいます。
そこで、 ①どのようにしたらボールを奪われないか
②どのような練習をすべきか
を教えていただけるとありがたいです。
乱文失礼しました。
全身で受ける前に腰を落として背中でDFをゴリッと押します。その後利き足のインサイドでトラップして軸足の前をボールが通るように転がします。練習は自分で考えて下さい。とりあえず半身は間違いです。
返信ありがとうございます!
かなり改善出来てきたと思います。
軸足前に転がした後は利き手と反対の手で相手をブロックして半身で懐作ってキープします。頑張れ!